「映え」を求めて美術館へGO!
【2023年1月15日 来訪】
「あらもう、映えまくりじゃないの!」
インスタグラムのタイムラインから流れてくるのは、それはそれはきらびやかなドレスとディスプレイ。
それは、「クリスチャン・
Z世代の若者たちは、映える写真を撮るために美術館へ行くと聞いたことがあります。
きっかけがどうであれ、「美しいものが好き!」は人間の本能。
私も流行りに乗っかって、「映える」写真を撮りたい一心で、
このブログは、筆者の「気になる」という直感だけを頼りに訪れた展覧会、
東京・神奈川を中心とした美術館と博物館の来訪記録です(ときおり遠征あり)。
無印良品LOVERも唸る「究極のシンプル美」
衣服といえば無印良品をこよなく愛する筆者の目を激しく引いたのは、この4着。
上品、シンプル、ラインの美しさの極み。
華美な装飾を排除して際立ってくるのは、着る人自身の「真の美しさ」。
うわべの美貌だけでは到底着こなせない、「本物の大人の女性」かどうかを試す試金石のような洋服たちです。
「私、勝ち組です♪」成功者にこそふさわしいパーティードレス
Diorのイメージといえばコレでしょ!コレ!パーティードレス!!
海外セレブが着て、レッドカーペットを歩くイメージしかないですね。圧巻です。
「ファッション通信」に出てきそう!ヨッ、待ってました!
筆者は1976年生まれ。10代のときは、1985年から放送開始したテレビ東京の「ファッション通信」を観るのが密かな楽しみでした。
大きなサングラスをかけたおしゃれな大内順子さんの姿と声は今でも忘れられないし、90年代ファッション黄金期のスーパーモデルたちをこの目でリアルタイムに観ていました。
そのためか、「凡人は絶対無理!」な奇抜なデザインを纏って、余裕の笑みでランウェイを歩くモデルに強い憧れを持っているので、こういうドレスが出てくると、もう心の底から拍手喝采したい気持ちになります。
「映え」しかない空間演出の凄み
インスタグラムのタイムラインで流れてきた写真は、この2枚の展示内で撮影されたものがほとんど。それほどまでに、来場者に強烈なインパクトを与えました。
どちらも「鏡」を効果的に生かした空間演出で、想像以上にダイナミックで広大です。
この展覧会の成功のカギは、ドレスを最高に輝かせ引き立たせる演出にあります。
新しい形のプロモーション
バッグの展示にきたときに、フト心に浮かんだ一言。
「…もしかしたら、バッグなら買えるかもしれない。」
ハイブランドのバッグは高価だし、普段なら到底手が出ません。
しかし、贅沢で美しいドレスの数々と度肝を抜かれる空間演出で彩られた「Diorの世界」に魅了され、多幸感で胸がドキドキ、テンションは高まり、
「な、なんか、Diorの商品が欲しい!!」
と、いう心理に本当に陥ってしまったのです。
これはまさしく、プロモーションにまんまとハマる客そのものです。
もしも、美術館の下にお店があったならば、そのままスーッと吸い込まれるように入店して買っていたと思います。
非日常的なスペシャルな体験をしたくて、女性たちはチケット代2,000円を払い、予約は殺到し売り切れ、当日券を買い求めるために開館時間の2時間前から並び、
会場では「映え」写真を撮影して、SNSにアップする。
それを見た、私のような来場者がさらに押し寄せる。
お客様はお金を払って商品を見て、自ら率先して広告を拡散してくれる。
今の時代ならではの、新しいプロモーションの形です。
子供たちのDREAMへ
この展覧会は、パリ、ロンドン、中国、ニューヨーク、ドーハなど世界巡回した後に東京で開催されました。
会場に行くと一目瞭然ですが、このボリュームとクオリティとなると相当な予算規模であることは想像に難くないはずです。
筆者が本展にいたく感動した点は、中高生以下のチケット代が無料であったこと。
クリスチャン・ディオール クチュールの特別協力によるものです。
先入観のない純粋な子供たちが、本物に触れる最高の体験。
それは感性を育てる、実り豊かな芸術・文化教育の機会です。
歴史あるブランドの華やかさの裏側にある、果たすべき社会的責任。
その絶妙なバランスこそが、Diorの信頼につながっていく理由なのでしょう。
「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展
会期: 【終了】2022年12月21日-2023年5月28日
会場: 東京都現代美術館
チケット代: 一般 2,000 円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1,300円 /中高生以下無料